個別指導時のチェックリスト全面開示!批判的検討

妥当適切でない着眼点満載の指導講評セット

  © タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名:佐藤秀峰 サイト名:漫画 on web  

指導・監査・処分取消訴訟支援ネット 代表世話人 高久隆範

指導・監査・処分取消訴訟
支援ネット
代表世話人 高久 隆範

(たかく たかのり|歯科医師)

「指導講評セットへの批判的検討」の公表にあたって

 約14年間に及ぶ論争の上、厚労省が「指導の公平性・客観性の確保を図るため」に作成した個別指導時のチェックリスト(指導講評セット・医科版90頁、歯科版48頁)が全面開示された。

 14年に及ぶ闘いにより、厚労省に「指導講評セットの不開示部分を公にすることで適正化が図られれば、個別指導の目的(保険診療の質的向上と適正化)に合致する」と認めさせたもので、画期的かつ全面的勝利である。

 「指導講評セット」が作成されたきっかけは、指摘事項の捏造などが行われた違法な個別指導に対し、2001年9月に岡山社会保険事務局長が被指導者(歯科医師)に手交した謝罪文である。

 これまで厚労省は「指導講評セットを公にすることで、犯罪の予防や捜査、刑の執行等、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす」など、保険医を犯罪者扱いまでして開示を拒否してきた。そのような体質を背景に現行の指導大綱・監査要綱に基づく以上、不当な指導が行われるおそれは否定できない。

 不当な指摘から患者さんへの診療を守るためには、我々保険医が行った「適切な診断と妥当適切な診察」(療養担当規則12条)を萎縮することなく主張することが必要不可欠である。「指導講評セットへの批判的検討」がその一助となれば幸いである。

【歯科】指導講評セットの批判的検討

【歯科】指導講評セットの批判的検討

診療所版・H24年12月版(2015年12月28日開示)に基づくもの(医科版は作成準備中)

① 批判的検討にあたっての基本的な考え方

  1. 個別指導の目的は「保険医療の質的向上と適正化」。根拠法は健康保険法73条。
  2. 保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。健康保険法73条

  3. 個別指導は行政指導であり、行政手続法に定める行政指導の一般原則が適用される。
  4. 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。行政手続法第32条

  5. 歯科医師は歯科医師国家資格に合格し、厚労大臣の免許を受けた者。歯科医学的に「不適切、妥当適切でない、必要のない」等の指摘は、歯科医学的に妥当適切か判断出来ない者に免許を与えた厚労大臣の責任を指摘するもの。
  6. 歯科医師が行った診断や診療に対し、患者を診ていない者がレントゲンや口腔内写真を見ただけで異を唱えることは妥当適切ではない。主治医と技官の見解が対立した場合、主治医の判断が優先されることは当然。
  7. 「溝部訴訟」東京高裁判決(2011.5.31)においても、「不正、不当」の証明責任は国にある(例えば、保険医が行った検査について「診療上必要」がないことを国が医学的に証明しない限り「不当」検査とはいえない)との考え方を示している。

② 診療録、処方せん、技工指示書に係る指摘事項に対する当会のコメント

診療に関する事項 診療録
診療録の様式が定められた様式第一号(二)の1及び(診療録第1面及び第2面)に準じていないので改めること

カルテ1面(=1号用紙)は「歯科点数表の解釈 平成26年4月版(以下「青本」)P510に掲載されているが、第2面(2号用紙)は掲載されていない。
示されていない様式には準じようがない。

診療に関する事項 診療録
〔労務不能意見、公費負担、歯式(口腔内所見)、傷病名、開始、転帰、入院期間、点数、一部負担金〕を記載する欄が〔ない、適切でない〕。

歯式(口腔内所見)については、青本記載の様式に規定があるため欄は必要だが、「必要がある場合」に記載するもの。記載の義務はない。
「適切でない」という記載例の提示はない。恣意的な指導に注意

13「上−下 左−右」欄について
(1)予め歯牙配列図等を印刷して差し支えない。
(2)必要がある場合、口腔診察の所見等を記載する。診療録等の記載上の注意事項 青本P880

診療に関する事項 診療録
診療録の記載に当たっては、次の点に留意すること。
診療録は保険請求の根拠となるものなので、歯科医師は診療の都度、遅滞なく必要事項の記載を十分に行うこと。

診療の都度という規定はない。十分にという基準も示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない歯科医師法第23条

保険医は、患者の診療を行った場合には、遅滞なく、様式第一号又はこれに準ずる様式の診療録に、当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下「療担規則」)第22条

診療に関する事項 診療録
複数の保険医が同一の患者を担当する場合は、責任の所在を明確にするため、診療日ごとに担当した保険医が署名又は記名を押印を行うこと。

診療に関する事項 診療録
やむを得ず口述筆記する場合には、必ず歯科医師が自ら記載内容を確認の上、署名又は記名押印を行うこと。

診療に関する事項 診療録
パソコン等、OA機器により作成した診療録の場合は、次の点に留意すること。
  • 診療を行った保険医は、必ず記載内容を確認し、署名又は記名押印すること。
  • 電子媒体に保存する場合は、データの真正性の確保(虚偽入力・書換え・消去及び混同の防止)を図ること。

診療に関する事項 診療録
診療録様式第一号(二)の1(診療録第1面)の記載について、次の不適切な例が認められたので改めること。
〔主訴、傷病名、歯式(口腔内所見等)、開始、終了、転帰〕に係る記載が〔ない、乏しい

歯式(口腔内所見)欄は「必要がある場合」に記載するもの。記載の義務はない。
どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。 恣意的な指導に注意

13「上−下 左−右」欄について
(1)予め歯牙配列図等を印刷して差し支えない。
(2)必要がある場合、口腔診察の所見等を記載する。診療録等の記載上の注意事項 青本P880

診療に関する事項 診療録
傷病名に病態に係る記載がない。
〔「P」、「Pul」、「Per」、   〕

診療に関する事項 診療録
検査、投薬等の査定を防ぐ目的で付けられた医学的な診断根拠のない傷病名(いわゆるレセプト病名)が〔多数、いくつか〕認められた。

患者を診ていない者が医学的な診断根拠がないと断定出来るのか?
主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?
恣意的な指導に注意

診療に関する事項 診療録
傷病名を適切に整理していない。

傷病名の部位は基本的にバラバラに記載することが求められている。

診療録第1面「部位」欄
「傷病のある部位をそれぞれ記載する。ただし、同一傷病名は、同一欄に一括して記載して差し支えない」診療録の記載上の注意事項 青本P879

診療に関する事項 診療録
診療録様式第一号(二)の2(診療録第2面)の記載について、次の不適切な例が認められたので改めること。
〔症状、所見、処置内容、指導内容、検査結果、治療方針、診療月日、部位、点数、一部負担金、補綴物等の使用金属名、連合印象の使用材料名、  〕の記載が〔ない、不十分〕または適切ではない。

どこまで記載したら十分かという基準は示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。
「適切でない」という記載例も示されたことはない。恣意的な指導に注意

診療に関する事項 診療録
診療録の記載方法、記載内容について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療行為の手順と異なる記載
  • 診療録の行間を空けた記載
  • 診療録の欄外への記載
  • 診療録の加筆
  • 診療録の書き換え

上記の全ての項目において、「不適切」とする根拠規定はない。
診療上必要な加筆、書き換えを禁止する根拠はない。加筆、書き換えした日時等をカルテに記載し、区別出来るようにしておけば良い。
カルテの充実を求めるのであれば適切な加筆、書き換えはむしろ推奨されるべきもの。

診療に関する事項 診療録
診療録の記載方法、記載内容について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 療法、処置記載欄への複数行(   段)の記載
  • 判読困難な記載
  • 独自の〔略称、略称病名〕の使用(例:       )
  • 現在使用されていない略称の使用(例:       )

上記の全ての項目において、「不適切」とする根拠規定はない。
「FMC」などの方が「独自の」「現在使用されていない」略称ではないか。
「診療録で使用出来る略称」は、厚労省保険局歯科医療管理官が地方厚生局の医療課長等に「関係者に対して周知徹底を図る」ことを求めたもの。
医療関係者に略称使用の義務を課す規定はない。

診療に関する事項 診療録
診療録の記載方法、記載内容について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 二本線で抹消したのではなく、〔塗りつぶし、修正液、   〕による訂正(修正前の記載内容が判読不能)

上記の項目において、「不適切」とする根拠規定はない。
二本線での抹消はレセプトの記載要領に記載があるもの。カルテの記載方法に係る規定ではない。

診療報酬請求書及び診療報酬明細書に記載した数字等の訂正を行うときは、修正液を使用することなく、誤って記載した文字等を=線で抹消の上、正しい数字等を記載すること診療報酬請求書等の記載要領等について 青本P836

診療に関する事項 診療録
診療録の記載方法、記載内容について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 鉛筆による記載

上記の項目において、「不適切」とする根拠規定はない。
「診療録等の記載上の注意事項」(青本P878)に鉛筆による記載を禁止した規定はない。ボールペン等での記載を定めたものは、レセプトの記載要領でカルテではない。

診療報酬請求書等の記載に当たっては、黒若しくは青色のインク又はボールペン等を使用すること診療報酬請求書等の記載要領等について 青本P836

 

診療に関する事項 診療録
診療録の記載方法、記載内容について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • その他(歯科初診料を歯科初再診料と記載)

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

診療に関する事項 処方せん等
  • 〔処方せん、検査伝票〕に予め押印しておくことは好ましくないので改めること。
  • その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

診療に関する事項 歯科技工指示書
〔設計、作成の方法、使用材料、発行の年月日、部位、歯科医師の住所及び氏名、歯科技工所の名称〕について、記載が〔ない、不十分な〕例が認められたので改めること。

歯科技工指示書において「部位」の記載義務はない。

法第十八条の規定による指示書の記載事項は、次のとおりとする。
①患者の氏名、
②設計、
③作成の方法、
④使用材料、
⑤発行の年月日、
⑥発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院又は診療所の所在地、
⑦当該指示書による歯科技工が行われる場所が歯科技工所であるときは、その名称及び所在地歯科技工士法施行規則第12条

診療に関する事項 歯科技工指示書
歯科技工指示書について、保存期限内であるにもかかわらず、〔紛失、廃棄、   〕している例が認められたので、適切に整理保管すること。

歯科技工物を外注した場合、技工指示書の保管は技工所が行うべきもの。
指示書について「控」の作成義務はない。(ただし、技工指示書の「控」を作成している場合は、療担規則により3年間の保存義務があるものと考えられる)

病院、診療所又は歯科技工所の管理者は、当該病院、診療所又は歯科技工所で行われた歯科技工に係る前条の指示書を、当該歯科技工が終了した日から起算して2年間、保存しなければならない歯科技工士法第19条

保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から5年間とする療担規則第9条

診療に関する事項 歯科技工指示書
委託外注技工について、歯科技工指示書の発行なく技工指示を行っている例が認められたので、所定の内容を記載した歯科技工指示書に基づいて技工指示を行うよう改めること。

診療に関する事項 歯科技工指示書
歯科技工指示書を口述筆記させた場合は、必ず歯科医師が自ら記載内容を確認すること。

技工指示書の口述筆記に係る規定はない。誘導尋問や自白の強要に注意

診療に関する事項 歯科技工指示書
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

③ 初診料、再診料、加算に係る指摘事項に対する当会のコメント

基本診療料等 初診料、再診料
歯科初診料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 再診相当であるにもかかわらず歯科初診料を算定している。
  • 再診相当のため次の算定は認められない

特に初診料が算定出来ない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について歯科医学的に初診といわれる診療行為があった場合は、初診料は算定出来る。(青本P19)
「歯科医学的に初診といわれる診療行為」に係る基準はない。

基本診療料等 初診料、再診料
歯科初診料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 主訴が定期検診であって治療の継続性が認められる診療について、歯科初診料を算定している。

基本診療料等 初診料、再診料
歯科初診料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 治療の継続性が認められる診療に対して算定している。

患者を診ていない者が「任意中断」や「再発等」を区別出来、「治療の継続性が認められる」と断定できるのか?
主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか
誘導尋問や自白の強要に注意。

基本診療料等 初診料、再診料
歯科再診料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 同日に2度来院がないのに算定している。
  • 〔ファクシミリ、メール、   〕による問い合わせに対して算定している。

基本診療料等 初診料、再診料
健康診断の結果に基づく診療について、歯科初診料を算定している例が認められたので改めること。

 

基本診療料等 初診料、再診料
保険外診療(自費診療)について、〔歯科初診料、歯科再診料〕を誤って算定している例が認められたので改めること。

指導の目的は「保険医療の質的向上と適正化」であり、自費診療は指導の対象外。

行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならない。行政手続法第32条

基本診療料等 初診料、再診料
診療録での主訴から見て歯科検診で、ある診療について、歯科初診料を算定している例が認められたので改めること。

患者自身が「検診をして下さい」と来院したケースか?
誘導尋問や自白の強要に注意。

基本診療料等 初診料、再診料
一連の治療行為と認められる診療について、歯科再診料を同一日に2回算定している例が認められたので改めること。

一連の治療行為の定義は?判断の根拠は?
誘導尋問や自白の強要に注意。

基本診療料等 初診料、再診料
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

基本診療料等 加算
〔基本診療料、特掲診療料〕に係る〔歯科診療特別対応、乳幼児〕加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。

指導の場で「著しく歯科診療の困難な者でない」となぜ判断できるのか?判断の根拠は?誘導尋問や自白の強要に注意

基本診療料等 加算
〔基本診療料、特掲診療料〕に係る〔歯科診療特別対応、乳幼児〕加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 著しく歯科診療の困難な者でない。
  • 診療録に歯科診療が困難であった状況に係る記載が〔ない、乏しい〕。

指導の場で「著しく歯科診療の困難な者でない」となぜ判断できるのか?判断の根拠は?

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。 「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。 カルテ記載では、状況や技法が把握出来、かつ簡潔な記載こそ推奨されるべきものではないか? 恣意的な指導に注意

基本診療料等 加算
初診時歯科診療導入加算について、診療録に歯科治療環境に円滑に適用出来るような技法に係る記載の〔ない、乏しい〕例が認められたので改めること。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。
カルテ記載では、状況や技法が把握出来、かつ簡潔な記載こそ推奨されるべきものではないか?恣意的な指導に注意

基本診療料等 加算
〔基本診療料、特掲診療料〕に係る〔時間外、休日、深夜〕加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。

基本診療料等 加算
歯科外来診療環境体制加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔研修を修了した常勤の歯科医師、歯科衛生士〕を配置していない。
  • 〔AED、パルスオキシメータ一、酸素、血圧計、救急蘇生セット、歯科用吸引装置〕を有していない。
  • 歯科診療に係る医療安全対策を実施している旨の院内掲示を行っていない

なぜ指導の場で機器等を有していないことを確認できるのか?恣意的な指導に注意

基本診療料等 加算
歯科診療特別対応連携加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 基本診療料に係る歯科診療特別対応加算を算定していない患者に対して算定している。
  • 別の歯科診療所から文書による診療情報提供を受けていない。
  • 〔AED、パルスオキシメータ一、酸素、救急蘇生セット〕を整備していない

なぜ指導の場で機器等を整備していないことを確認できるのか?恣意的な指導に注意

基本診療料等 加算
明細書発行等体制加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療所でない。
  • 電子情報処理組織を使用し、又は光ディスク等を用いて診療報酬請求を行っていない。
  • 算定した診療報酬の区分、項目の名称及びその点数又は金額を記載した詳細な明細書を患者に無料で〔交付していない、交付する旨の院内掲示を行っていない〕。
  • 明細書を希望者のみに交付し、全ての患者に交付していない。

基本診療料等 加算
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

④ 管理料、指導料に係る指摘事項に対する当会のコメント

医学管理等 歯科疾患管理料
歯科疾患管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 管理計画を策定していない。
  • 患者に文書を提供していない。
  • 1回目の管理計画書を、提供日から起算して2月以内に交付していない。
  • 管理計画書の写しに〔提供年月日、患者又はその家族が記入した歯科疾患と関連性のある生活習慣の状況、患者の基本状況、生活習慣の改善目標、口腔内の状態、口腔内の状態の改善状況、検査結果等の要点、歯科疾患と全身の健康との関係、治療方針の概要、保険医療機関名、管理の担当歯科医師名、その他(  )」を記載していない。

歯管の管理計画書に記載が求められる「その他」の事項とは何か?恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科疾患管理料
歯科疾患管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 1回目の管理計画書の作成に際し、歯周病に罹患している患者に対して、歯周病検査を実施せず管理計画書を提供している。
  • 2回目以降の継続管理計画書を〔作成していない、適切な時期に提供していない〕。
  • 管理計画書の写しを診療録に添付していない。
  • 〔一連の管理計画、管理内容、検査結果の要点〕を診療録に記載していない。
  • 無歯顎の患者の総義歯に対して算定している。
  • 継続的口腔管理、再発防止及び重症化予防のための継続管理が〔ない、乏しい〕。

どの程度の継続管理を行えば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科疾患管理料
歯科疾患管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯科診療で入院した患者に対し、退院の日の属する月に行った管理に対して算定している。
  • 提供文書と診療録に記載されている指導内容が異なっている。

医学管理等 フッ化物局所応用加算
フッ化物局所応用加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者又はその家族に文書を提供していない。
  • 歯科衛生士が行った場合の提供文書への管理方針の 記載が〔ない、 乏しい

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 フッ化物洗口加算
フッ化物洗口加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者又はその家族に文書を提供していない。
  • 診療録に指導内容(〔洗口の方法及び頻度、洗口に関する注意事項、薬液の取扱い及びその保管方法〕の記載がない。
  • 歯科衛生士が行った場合に、〔診療録への指示内容、提供文書への指導内容〕の 記載が〔ない、 乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科衛生実地指導料1・2
歯科衛生実地指導料1について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者に文書を提供していない。
  • 診療録に歯科衛生士に対して行った指示内容の要点〔を記載していない、の記載が乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。
「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。
恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科衛生実地指導料1・2
歯科衛生実地指導料1について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯科衛生士業務記録を作成していない。

歯科衛生士の業務記録の作成は歯科衛生士法施行規則による規定。青本には規定がない。健康保険法73条に基づく指導の範疇ではない。
保存義務は歯科衛生士に義務付けられており、歯科医師に保存義務はない。
歯科医師が保存した場合、歯科衛生士が保存していないとして歯科衛生士法違反となるおそれがある。

歯科衛生士は、その業務を行った場合には、その記録を作成して3年間これを保存するものとする歯科衛生士法第18条

医学管理等 歯科衛生実地指導料1・2
歯科衛生実地指導料1について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 提供文書に〔指導等の内容、プラークの付着状況結果、指導の開始及び終了時刻、保険医療機関名、歯科医師氏名、歯科衛生士の署名〕に係る記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科衛生実地指導料1・2
歯科衛生実地指導料1について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 当該指導を行った後の主治の歯科医師への報告がない。

指導の場で報告がなかった事実を証明できるのか?恣意的な指導に注意

医学管理等 歯科衛生実地指導料1・2
歯科衛生実地指導料1について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 提供文書の写しを歯科衛生業務記録簿に添付していない。
  • 実施時間が15分未満である。
  • 提供文書に家庭での療養指導の記載がない。
  • 3月に1回以上、指導内容を文書により提供していない。

医学管理等 歯科衛生実地指導料2
歯科衛生実地指導料2について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 基本診療料の障害者加算を算定していない患者に対して歯科衛生実地指導料2を算定している。
  • 実施時間(15分以上の実地指導を行うことが困難な場合にあっては、月2回の実施時間の合計)が15分未満である。
  • 提供文書に家庭での療養指導の記載がない。

 

医学管理等 診療情報提供料(Ⅰ)、(Ⅱ)
診療情報提供料〔(Ⅰ)、(Ⅱ)〕について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 提供文書に〔診療に基づく他の機関での診療の必要性、診療状況〕を示す記載がない

他の機関での診療の必要性の記載義務は明記されていない。記載義務があるのは診療状況のみ。恣意的な指導に注意

保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認め、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合」に算定する。青本P154 様式P394

医学管理等 診療情報提供料(Ⅰ)、(Ⅱ)
診療情報提供料〔(Ⅰ)、(Ⅱ)〕について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関への情報提供に対して算定している
  • 〔紹介状に対する返事、治療状況の報告〕を行ったものについて、算定している。

医学管理等 薬剤情報提供料
薬剤情報提供料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者に文書を提供していない。
  • 提供文書に〔薬剤名、用法、用量、効能、効果、副作用、相互作用〕に係る記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 薬剤情報提供料
薬剤情報提供料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 同一の処方に対して複数回算定している。
  • 処方日数の変更に対して算定している。
  • 診療録に薬剤情報を提供した旨を記載していない。

医学管理等 新製有床義歯管理料
新製有床義歯管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者に文書を提供していない。
  • 提供文書に〔欠損の状態、指導内容、保存及び清掃の方法、保険医療機関名、担当の歯科医師氏名〕を記載していない。
  • 提供文書の写しを診療録に添付していない。
  • 診療録に提供文書の内容以外に療養上必要な管理事項がある場合にその記載が〔ない、乏しい〕。
  • 新たに製作した有床義歯を装着した日の属する月以外に算定している。

患者を診ていない者が、療養上必要な管理事項の有無を判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?誘導尋問や自白の強要に注意

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 有床義歯管理料、有床義歯長期管理料
有床義歯管理料、有床義歯長期管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に管理内容等に係る記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 有床義歯管理料
有床義歯管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 新たに製作した有床義歯を装着した日の属する月から2月以上3月以内の期問外に算定している。
  • 診療録に管理内容等の記載が画一的であり、実態に即した内容を記載していない。

「画一的」ではいけないとする根拠がない。

保険診療では特殊な療法、新しい療法等は厚労大臣が定めるもの以外行うことができず、診療に関するガイドラインも参考とすることが求められている以上、管理内容等の記載は一定程度「画一的」にならざるをえない。恣意的な指導に注意誘導尋問や自白の強要に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。なぜ患者を診ていない者が「実態に即した内容」を記載していないと判断できるのか?

保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行ってはならない療担規則第18条

医学管理等 有床義歯長期管理料
有床義歯長期管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 算定期間に誤りが認められた。
  • 診療録に管理内容等の記載が画一的であり、実態に即した内容を記載していない。

「画一的」ではいけないとする根拠がない。

保険診療では特殊な療法、新しい療法等は厚労大臣が定めるもの以外行うことができず、診療に関するガイドラインも参考とすることが求められている以上、管理内容等の記載は一定程度「画一的」にならざるをえない。恣意的な指導に注意誘導尋問や自白の強要に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。なぜ患者を診ていない者が「実態に即した内容」を記載していないと判断できるのか?

保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行ってはならない療担規則第18条

医学管理等 困難加算
困難加算について、次に該当しない患者に対して算定している例が認められたので改めること。
  • 総義歯を新たに装着した患者又は総義歯を装着している患者
  • 9歯以上の局部義歯を装着し、かつ、当該局部義歯以外には対合歯間の接触関係を有しない患者

医学管理等 有床義歯調整管理料
有床義歯調整管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 義歯管理料を算定していない月に算定している。
  • 義歯管理料を算定した日に算定している。
  • 診療録に調整方法及び調整部位に係る記載が〔ない、または乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

医学管理等 有床義歯調整管理料
有床義歯調整管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に調整方法及び調整部位に係る記載が画一的であり、実態に即した内容となっていない。

「画一的」ではいけないとする根拠がない。保険診療では特殊な療法、新しい療法等は厚労大臣が定めるもの以外行うことができず、診療に関するガイドラインも参考とすることが求められている以上、管理内容等の記載は一定程度「画一的」にならざるをえない。恣意的な指導に注意誘導尋問や自白の強要に注意

なぜ患者を診ていない者が「実態に即した内容」を記載していないと判断できるのか?

保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行ってはならない療担規則第18条

医学管理等 その他
歯科診療を行うに当たって、療養上必要な指導管理を適切に行うこと

患者を診ていない者が、指導管理が不適切であったと判断できるのか?恣意的な指導に注意

⑤ 歯科訪問診療に係る指摘事項に対する当会のコメント

在宅医療 歯科訪問診療料
歯科訪問診療料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に歯科訪問診療の対象者に該当する理由(通院による歯科診療が困難な理由)を記載していない。
  • 患者の求めがない

患者の求めが無かったと判断した根拠は?恣意的な指導に注意誘導尋問や自白の強要に注意

在宅医療 歯科訪問診療料
歯科訪問診療料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療時間が20分未満である。
  • 保険医療機関と患家等との距離が16kmを超えている。
  • 歯科、小児歯科、矯正歯科又は口腔外科を標携する保険医療機関に入院する患者に対して行っている。
  • 訪問診療の計画を策定していない。
  • 訪問診療の計画を診療録に記載していない。
  • 患者又はその家族等に情報提供していない。
  • 診療の都度、診療録に歯科訪問診療に係る〔日付、開始及び終了時刻、訪問先名、通院困難となった理由〕を記載していない。
  • 歯科訪問診療料に相当しないものに対する次の算定は認められない。(在宅患者等急性歯科疾患対応加算、訪問歯科衛生指導料、歯科疾患在宅療養管理料、口腔機能管理加算、      )

在宅医療 歯科診療特別対応加算
歯科診療特別対応加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯科診療が著しく困難ではない患者に対して算定している。

なぜ「著しく歯科診療の困難な者」ではないと判断できるのか?誘導尋問や自白の強要に注意

在宅医療 歯科診療特別対応加算
歯科診療特別対応加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に患者の状態に係る記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

在宅医療 地域医療連携体制加算
地域医療連携体制加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 連携保険医療機関に文書を提供していない。
  • 患者又はその家族等に文書を提供していない。
  • 文書の写しを診療録に添付していない。
  • 病状から急変する可能性がない患者に対して算定している。

なぜ「病状から急変する可能性がない患者」と判断できるのか?どのような患者(人)であっても急変する可能性はある。誘導尋問や自白の強要に注意

在宅医療 在宅患者等急性歯科疾患対応加算
在宅患者等急性歯科疾患対応加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 2回目以降で算定すべきものを誤って1回目で算定している。
  • 診療録に常時携行している切削器具名の記載がない。

在宅医療 歯科訪問診療料
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
訪問歯科衛生指導(〔複雑、簡単〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 実地指導内容が単なる日常的口腔清掃等のケアである。
  • 患者に文書を提供していない。
  • 歯科医師が〔歯科衛生士、保健師、看護師、准看護師〕に文書により指示していない。
  • 診療録に〔歯科衛生士、保健師、看護師、准看護師〕に指示した内容の要点を記載していない。
  • 指導後に歯科医師に報告していない。

なぜ歯科医師に報告していないと判断できるのか?誘導尋問や自白の強要に注意

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
訪問歯科衛生指導(〔複雑、簡単〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者又はその家族等への提供文書の写しを歯科衛生士業務記録簿に添付していない。
  • 提供文書に〔指導内容、指導の開始及び終了時刻、その他療養上必要な事項、担当者の署名〕に係る記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
訪問歯科衛生指導(〔複雑、簡単〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に訪問歯科衛生指導に係る〔日付、訪問先名、通院困難な理由、指導の開始及び終了時刻〕の記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
訪問歯科衛生指導(〔複雑、簡単〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療報酬明細書の摘要欄に訪問歯科衛生指導に係る〔日付、指導の開始及び終了時刻〕の記載がない。
  • 歯科衛生士業務記録を作成していない

歯科衛生士の業務記録の作成は歯科衛生士法施行規則による規定。青本には規定がない。健康保険法73条に基づく指導の範疇ではない。
保存義務は歯科衛生士に義務付けられており、歯科医師に保存義務はない。
歯科医師が保存した場合、歯科衛生士が保存していないとして歯科衛生士法違反となるおそれがある。

歯科衛生士は、その業務を行った場合には、その記録を作成して3年間これを保存するものとする。歯科衛生士法第18条

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
訪問歯科衛生指導(〔複雑、簡単〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 実地指導に係る記録(〔患者氏名、訪問先、指導の開始及び終了時刻、指導の要点、主訴の改善、食生活の改善、担当者の署名〕)を作成していない。

在宅医療 訪問歯科衛生指導料
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

在宅医療 歯科疾患在宅療養管理料
歯科疾患在宅療養管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 管理計画を策定していない
  • 文書を提供していない。
  • 管理計画書に〔提供年月日、全身の状態、口腔内の状態、管理方法の概要、保険医療機関名、管理の担当歯科医師名、その他(   )〕を記載していない。
  • 診療録に管理計画書の写しを添付していない。
  • 歯周病に罹患している患者に対して、歯周組織検査を実施しないで管理計画書を提供している。
  • 診療録に〔一連の管理計画、管理内容〕を記載していない。

在宅医療 口腔機能管理加算
口腔機能管理加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 管理計画書に口腔機能の状態(〔咀嚼機能の状態、摂食、嚥下の状況、構音機能の状況、食形態、口腔ケアに対するリスク、その他(    )〕の記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。

在宅医療 在宅患者歯科治療総合医療管理料
在宅患者歯科治療総合医療管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 文書による別の医科保険医療機関から在宅歯科治療における総合的医療管理が必要であるとした診療情報提供を受けていない。
  • 診療録に情報提供に関する記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意誘導尋問や自白の強要に注意

「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。

在宅医療 在宅患者歯科治療総合医療管理料
在宅患者歯科治療総合医療管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に当該主病の担当医からの〔情報提供に関する内容、担当医の所属保険医療機関名〕
  • 診療録に〔治療内容に関する説明内容及び同意の有無、治療前、治療中における全身状態の管理の状況、治療後における患者の体調の変化の有無、患者又は家族への説明内容〕を記載していない。
  • 全身状態の把握、管理等に必要な機器、機材(〔パルスオキシメーター、酸素、救急蘇生セット〕)を整備していない

なぜ指導の場で機器等を有していないことを確認できるのか?誘導尋問や自白の強要に注意

在宅医療 その他
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑥ 検査に係る指摘事項に対する当会のコメント

検査 歯科一般検査
電気的根管長測定検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に検査結果を記載していない。

検査 歯科一般検査
細菌簡易培養検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に検査結果を記載していない。

検査 歯科一般検査
口腔内写真検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯周病検査を行っていない。
  • 患者に歯周疾患の状態を示していない。
  • カラー写真での撮影でない。
  • 患者への動機付けを目的として写真を示していない。

なぜ患者への動機付けを目的として口腔内写真を示していないと判断できるのか?示したことについて、カルテ記載は義務付けられていない。誘導尋問や自白の強要に注意

【算定要件】歯周病検査を行った場合において、プラークコントロールの動機付けを目的として、歯科疾患の状態を患者に示した場合に算定する。青本P190

検査 歯科一般検査
口腔内写真検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 口腔内カラー写真に〔患者氏名、作成年月日〕を記載していない。
  • 診療録に口腔内カラー写真を添付していない。

口腔内カラー写真に患者氏名や作成年月日の記載は義務付けられていない。

検査 補綴関連検査等
平行測定について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に検査結果を記載していない。
  • 6歯以上のブリッジの平行測定に用いた模型を保存期間内であるにもかかわらず、〔紛失、廃棄、   〕している)。

検査 補綴関連検査等
顎運動関連検査について、次の算定要件を満たさない例が認められたので改めること。
  • 診療録に検査結果を記載していない。
  • 歯科医師以外の者が検査を行っている。

歯科医師以外の者が顎運動関連検査を行ってはいけないとする根拠はない。

検査 補綴関連検査等
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑦ 画像診断に係る指摘事項に対する当会のコメント

画像診断
診断料について、同一部位に同時に2以上のエックス線撮影を行った〔歯科パノラマ断層撮影、   〕に対してそれぞれの所定点数で算定している例が認められたので改めること。

画像診断
時間外緊急院内画像診断加算について、誤って算定している例が認められたので改めること。

 

画像診断
画像診断管理加算(歯科診療に係るものに限る。)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 地域歯科診療支援病院歯科初診料の届出がない。
  • 画像診断を専ら担当する常勤の歯科医師がいない。
  • 主治医に読影結果を文書で報告していない。
  • 届出した常勤歯科医師以外の歯科医師が画像診断を行っている。
  • 診療録に報告された文書又はその写を添付していない。

画像診断 歯科エックス線撮影等
〔歯科エックス線、歯科パノラマ断層、      〕撮影について、診療録に所見の記載が〔ない、不十分な〕例が認められたので改めること。

「十分」な所見記載とはどの程度か?基準が示されていない。
恣意的な指導に注意
「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。

画像診断 歯科エックス線撮影等
〔歯科エックス線、歯科パノラマ断層、顎関節規格エックス線、顎関節パノラマ断層、   〕撮影について、歯科医学的に必要の〔ない、乏しい〕例が認められたので改めること。

患者を診ていない者が歯科医学的な必要性を判断できるのか?
恣意的な指導に注意
主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?

画像診断 歯科エックス線撮影等
歯科エックス線、歯科パノラマ断層、   〕撮影について、画像が不鮮明で診断困難な例が認められたので改めること。

読影出来ないという意味か?読影できれば良いのではないか。
恣意的な指導に注意
被曝量を考慮すれば、再撮影しない方が医学的に妥当適切なケースもあるのではないか。

画像診断 歯科エックス線撮影等
〔歯科エックス線、歯科パノラマ断層、   〕撮影について、治療に必要な部位が撮影されていない例が認められたので改めること。

画像診断 歯科エックス線撮影等
〔歯科エックス線、歯科パノラマ断層、   〕撮影について、画像を紛失した例が認められたので、適切に整理保管すること。

画像診断 歯科エックス線撮影等
歯科エックス線撮影について、誤って算定している例が認められたので改めること。(   点を   で算定)

画像診断 歯科エックス線撮影等
顎関節パノラマ断層撮影を顎関節規格エックス線撮影として誤って算定していた例が認められたので改めること。

画像診断 歯科エックス線撮影等
顎関節規格エックス線撮影について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 各顎位における顎関節を撮影し異位相における関節窩と下顎頭との対応症状の変化をトレーシングペーパー上に描記したものを座標上に重ねて、下顎頭の運動量とその経過を計量的に比較し経過の観察を行っていない。
  • 対照として撮影した健側を診断料、撮影料とも所定点数にて算定している。

画像診断 歯科エックス線撮影等
同一日に同時に撮影された歯科パノラマ断層撮影と顎関節パノラマ断層撮影の診断料と撮影料を、それぞれ所定点数で算定していたので改めること。

画像診断 歯科エックス線撮影等
実際には1枚のエックス線フィルムに撮影されているにもかかわらず2枚分のフィルム料を算定している例が認められたので改めること。

画像診断 歯科エックス線撮影等
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑧ 投薬に係る指摘事項に対する当会のコメント

投薬
次の不適切な例が認められたので改めること。
・禁忌投与   ・適応外投与 ・過量投与
・用法外投与  ・重複投与  ・多剤投与
・長期漫然投与 ・その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

投薬
患者の症状によらず傾向的かつ画一的な処方が認められたので改めること。

傾向的かつ画一的な処方の何が問題なのか。
症状から妥当適切な処方であれば良いのではないか。
恣意的な指導に注意

投薬
医科診療科において、実施した投薬の算定が認められたので改めること。

投薬
医科診療科において、実施すべき投薬の算定が認められたので改めること。

投薬
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑨ 歯周治療に係る指摘事項に対する当会のコメント

歯周治療
「歯周病の診断と治療に関する指針」を参考とする等、歯科医学的に妥当適切な歯周治療を行うこと。

ガイドラインはあくまでも参考。参考にすることとガイドライン通りに行うこととは異なる。歯科医師の裁量は妨げられない。恣意的な指導に注意

歯周治療
診療録に歯周病に係る症状、所見等の記載に乏しく、診断根拠や治療方針が不明確であるので改めること。

どの程度の所見記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

歯周治療
治癒の判断、治療計画の修正等を適確に行っていないので改めること。

なぜ適確に行っていないと判断できるのか?恣意的な指導に注意

歯周治療
歯周基本治療の後に確認の歯周病検査を行わず、歯周治療を終了している例が認められたので改めること。

 

歯周治療
歯周基本治療の後に確認の歯周病検査を行わず、補綴治療に着手している例が認められたので改めること。

補綴治療の着手時期に係る上記規定はない。なぜ改める必要があるのか。恣意的な指導に注意

歯周治療
歯周治療と並行し、歯科医学的に不適切な補綴治療を行っている例が認められたので改めること。

歯周治療と並行した補綴治療は認められている。なぜ歯科医学的に不適切と言えるのか。恣意的な指導に注意

歯周病の診断と治療に関する指針「歯周病患者の補綴治療」参照青本P956

歯周治療
歯周病患者に〔歯周病検査、歯周基本治療〕を行わず、補綴治療を行っている例が認められたので改めること

上記の事例は禁止されていない。歯科医師の裁量権の侵害ではないか。恣意的な指導に注意

歯周治療
治療効果が期待出来るよう、より適切な歯周基本治療を行うこと。

「治療効果が期待出来ない」となぜ判断できるのか?
恣意的な指導に注意

歯周治療
歯周病検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 1口腔単位で、行っていない〔歯周基本検査、歯周精密検査、混合歯列期歯周組織検査〕
  • 〔歯周ポケット測定、歯の動揺度検査〕〔が不十分な、を実施していない〕歯周基本検査
  • 〔4点法による歯周ポケット測定、プローピング時の出血の有無検査、歯の動揺度検査、プラークチャートを用いたプラークの付着状況検査〕〔が不十分な、を実施していない〕歯周精密検査(※8月対象レセプトの歯周精密検査算定のすべて)
  • 〔プラークチャートを用いたプラークの付着状況検査、プローピング時の出血の有無検査又はポケット測定〕〔が不十分な、を実施していない〕混合歯列期歯周組織検査

上記の「不十分」とされた指摘について、なぜ不十分と判断できるのか?恣意的な指導に注意

歯周治療
1か月以内の再度の歯周病検査について、所定点数の100分50で算定すべきところを、所定点数で算定している例が認められたので改めること。

歯周治療
臨床所見、画像診断等から判断して、検査結果に妥当性が十分ではない歯周病検査を行っている例が認められたので、検査精度の向上を図ること。

歯周治療
臨床所見、画像診断等から判断して、検査結果に妥当性が十分ではない歯周病検査を行っている例が認められたので、検査精度の向上を図ること。

臨床所見や画像診断から、検査結果の妥当性を判断できるのか?恣意的な指導に注意

歯周治療
切開と同日に行われた〔歯周基本検査、歯周精密検査、混合歯列期歯周病検査〕を算定している例が認められたので改めること。

歯科医学的に切開と同日の歯周病検査が不適切と言えるのか?医学的に妥当適切ではないのは疑義解釈の方ではないか?

歯周病検査に関する疑義解釈青本P189

歯周治療
歯周病検査を行わず、不適切な歯周病検査に基づいて〕〔スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬〕を行っている例が認められたので改めること。

歯周基本治療(スケーリング等)について、「歯周病検査が実施されていない場合は算定出来ない」とする留意事項通知は歯科医学的に妥当適切か?

歯周治療
検査結果、臨床所見、   〕等から判断して、〔スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬〕の必要性がない例が認められたので改めること。

患者を診ていない者が判断するべきではない。必要性がないと断言できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?必要性の判断基準が示されていない。恣意的な指導に注意

歯周治療
スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬〕から、次の歯周組織検査までの間隔が短く、歯科医学的に妥当適切でない例が認められたので改めること。

歯周基本治療から検査までのインターバルについて、青本に規定はない。

歯周病の診断と治療に関する指針青本P935

歯周治療
歯周病安定期治療について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔歯科疾患管理料を算定していない、中等度以上の歯周疾患を有しない、症状が安定していない、ている。〕患者に対して算定している。
  • 症状安定を確認する目的で実施した歯周病検査の結果や歯周病安定期治療の治療方針等について、文書による情報提供を行っていない。
  • 診療録に管理計画書の写しを添付していない。
  • 前回、当該加算を算定した日から2月を経過していない。
  • 歯周病安定期治療期間中に〔歯周基本治療、歯周疾患処置、歯周基本治療処置〕を算定している。
  • 歯周病安定期治療を算定した日に機械的歯面清掃処置を算定している。

歯周治療
歯周疾患処置(P処)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯周ポケット内に特定薬剤を注入していない。
  • 診療録に使用薬剤名及び使用量を記載していない。

なぜ注入していないと判断できるのか?カルテへの記載漏れで診療実態がなかったことにされてしまうことは問題ではないか?誘導尋問や自白の強要に注意

歯周治療
歯周基本治療処置(P基処)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 薬剤を用いた場合に、診療録に用いた薬剤名を記載していない。

⑩ 処置に係る指摘事項に対する当会のコメント

歯牙疾患の処置
う蝕処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に〔使用した保険医療材料名、処置内容等〕を記載していない。

歯牙疾患の処置
支台築造時のう蝕処置の費用は、支台築造の費用に含まれ算定出来ないので改めること。

 

歯牙疾患の処置
咬合調整について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔臨床所見、  〕等から判断して必要性のない〔吹合調整、歯冠形態修正〕
  • 診療録に〔歯冠形態の修正が必要である理由、歯冠形態の修正箇所〕を記載していない。

患者を診ていない者が歯冠形態について判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

歯牙疾患の処置
直接歯髄保護処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 同処置後1月以上の経過観察を行っていない。
  • 診療録に処置内容及び経過観察期間等に係る事項の要点を記載していない。

歯牙疾患の処置
歯髄温存療法について、3月以上の経過観察を行っていない例が認められたので改めること。

歯牙疾患の処置
知覚過敏処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 審美性を考慮していない前歯部唇側面に対するフッ化ジアンミン銀を使用している

青本に規定はない。審美性よりも歯科医学的な妥当性が優先するのではないか?そもそも前装冠もFCKも審美性には大きな問題がある。恣意的な指導に注意

歯牙疾患の処置
根管充填について、〔電気的根管長測定検査、歯科エックス線撮影〕を実施せずに実施している例が認められたので、適確な診断の基に行うよう改めること。

青本に規定はない。

根管充填に係る留意事項通知
「根管充填は1歯につき1回を限度として算定する。」青本P253

歯牙疾患の処置
実際の根管数に基づかずに、根管充填を含む一連の根管治療を算定している例が認められたので改めること(   根管を  根管で算定)。

実際の根管数は、レントゲン写真だけでは判断出来ないのではないか。

歯牙疾患の処置
加圧根管充填加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯科エックス線撮影による根管充填後の確認を行っていない。
  • 根管充填材が根尖孔外へ溢出している。

歯科医学的に妥当適切な算定要件と言えるか?根尖孔外に溢出する可能性が非常に大きい垂直加圧根充は青本で認められているにもかかわらず、この規定のために行うことが困難である。矛盾ではないのか?

歯牙疾患の処置
気密な根管充填を行っていない。

「気密」の定義は何か?恣意的な指導に注意

歯牙疾患の処置
クラウン・ブリッジ維持管理料に係る届出を行わないまま加圧根管充填加算を算定している。

レセプトの段階で分からないものなのか?

歯牙疾患の処置
根管充填を行うに当たっては、根管の状態及び症状等を踏まえ、適切な時期に行うこと。

青本に規定は無い。「適切な時期」とはいつを言うのか?恣意的な指導に注意

歯牙疾患の処置
根管充填後の状態の確認を行うに当たっては、必要に応じて画像診断を行う等、より適切に行うこと。

必要に応じた画像診断について青本に規定は無い。患者を診ていない者がなぜ不適切と判断できるのか?画像診断が不必要だと判断したから撮影していないのではないか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

その他
抜歯を前提とした消炎のための根管拡大後の根管貼薬について、1歯につき(   )回算定している例がみられたので、1歯につき1回限りの算定とするよう改めること。

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

暫間固定
暫間固定について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 検査結果、臨床所見、   〕等から判断して必要性のない暫間固定(〔簡単なもの、複雑なもの、著しく困難なもの〕)。
  • 〔エナメルボンドシステム、線結紮法、接着性レジンを用いたワイヤー固定〕による暫間固定に〔装着料、装着材料料〕を算定している。
  • 〔テンポラリークラウン、   〕を誤って暫間固定(簡単なもの)として算定している。

患者を診ていない者がなぜ必要性がないと判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

なぜ「誤って算定した」と断定できるのか?誘導尋問や自白の強要に注意

暫間固定
暫間固定装置修理(〔簡単なもの、困難なもの〕)について、エナメルボンドシステムによる暫間固定に対して算定している例が認められたので改めること。

床副子
睡眠時無呼吸症候群の治療法としての咬合床について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔医科の保険医療機関等からの診療情報提供料の算定、院内の担当科からの情報提供〕に基づく口腔内治療装置の依頼でない。
  • 診療録に〔紹介元保険医療機関からの情報提供に関する内容、保険医療機関名〕の記載が〔ない、乏しい〕。
  • 咬合採得、印象採得、装着料を含む1装置の咬合床を、誤って2装置として算定している。

紹介状をカルテに添付しただけではダメなのか?どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意

床副子
〔睡眠時無呼吸症候群の治療法としての校合床、歯ぎしりに対する咬合床〕について、アクチパトール式で、ないものを「著しく困難なもの」としている例が認められたので改めること。

床副子
舌接触補助床について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 摂食機能療法を算定していない患者に算定している。

 

床副子
床副子調整について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に〔調整部位、調整方法〕の記載が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。恣意的な指導に注意

床副子
歯周治療用装置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 歯周外科手術を行っていない。

 

除去
除去について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔インレ一、充填物、帯冠、5分の4冠〕の除去について「簡単なもの」を「困難なもの」として算定している。
  • 歯根の長さの3分の1未満のメタルコアに対して、根管内ポストを有する鋳造体の除去を算定している。

除去
根管内異物除去について、自院で行われた治療に基づく異物に対して算定している例が認められたので改めること。

除去
切断による算定数が実際の切断数と異なる例が認められたので改めること。

除去
抜歯〔予定歯、と同時〕の歯冠補綴物について、算定出来ない除去料を算定している例が認められたので改めること。

除去
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

有床義歯床下粘膜調整処置
有床義歯床下粘膜調整処置(T.cond)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 有床義歯床下粘膜異常以外の目的(〔疼痛除去、床裏装〕)に対して算定している。
  • 有床義歯床下粘膜調整処置(T.cond)の実施期間中に〔新製有床義歯管理料、有床義歯管理料、有床義歯長期管理料、有床義歯調整管理料〕を算定している。
  • 有床義歯床下粘膜調整処置(T.cond)の実施後に〔床裏装、義歯新製〕を行っていない。
  • 義歯新製の印象採得と同時に行った有床義歯床下粘膜調整処置(T.cond)。
  • 診療録に有床義歯床下粘膜調整処置(T.cond)に係る所見、実施内容等の記載が〔ない、乏しい〕。

任意中断した場合には止むを得ないのではないか?

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

機械的歯面清掃処置
機械的歯面清掃処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔前回の加算を算定した日に属する月の翌月、歯周病安定期治療を算定した日〕に算定している。
  • 歯周疾患以外の患者に対して行っている。
  • 〔周術期専門的口腔衛生処置、訪問歯科衛生指導料、歯科矯正管理料〕を算定している。
  • 〔歯科疾患管理料、歯科疾患在宅療養管理料〕を算定していない患者に算定している。
  • 歯科衛生士が機械的歯面処置を実施した場合に歯科衛生士の氏名を診療録に記載していない。

その他
心身医学療法について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 確定診断が可能な医科の保険医療機関と連携していない。
  • 確定診断が可能な医科の保険医療機関からの診療情報提供料の算定に基づく治療依頼でない。

その他
周術期専門的口腔衛生処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、周術期口腔機能管理料(Ⅱ)〕を算定していない入院患者に算定している。
  • 〔周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、周術期口腔機能管理料(Ⅱ)〕を算定した日の属する月に算定していない。
  • 周術期専門的口腔衛生処置を算定した日の属する月に算定している。
  • 診療録に主治の歯科医師の指示内容を記載していない。
  • 歯科衛生士業務言改長に処置内容に係る記録が〔ない、乏しい〕。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

その他
医科点数表の準用が出来ない処置(〔喀痰吸引、ドレーン法、    〕)を算定している例が認められたので改めること。

 

その他
漫然と行われた歯科医学的に必要のない〔   〕を算定している例が認められたので改めること。

患者を診ていない者が「漫然」「歯科医学的に必要がない」と判断できるのか?
主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

その他
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑪ 手術に係る指摘事項に対する当会のコメント

抜歯手術
難抜歯について、歯根肥大、骨の癒着歯等に対する骨の開さく又は歯根分離術等を行っ〔ていないもの、たことが確認出来ないもの〕に算定している例が認められたので改めること。

指導の場でどうやって確認するのか?確認する方法があるのか?恣意的な指導に注意

抜歯手術
〔埋伏歯抜歯、下顎完全埋伏智歯加算〕について、〔骨性の完全埋伏歯、歯冠が3分の2以上の骨性埋伏である水平埋伏智歯〕でないものに算定している例が認められたので改めること。

 

歯根嚢胞摘出手術
歯根嚢胞摘出手術(〔歯冠大、拇指頭大〕)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 画像診断、臨床所見等から判断して、歯根嚢胞とは認められない
  • 〔画像診断、臨床所見〕から判断して、嚢胞の大きさが〔歯冠大、拇指頭大〕でない。

患者を診ていない者が判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

歯の移植手術
歯の移植手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 保存不適の歯について抜歯手術を算定している。
  • 埋伏歯又は智歯以外の歯を移植している。

口腔内消炎手術
口腔内消炎手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔臨床所見、   〕等から判断して必要性が認められない〔歯肉弁切除、歯肉膿瘍等、骨膜下膿瘍〕等に対して口腔内消炎手術を算定している。
  • 診療録に〔部位、症状、術式   〕に関する記載が 〔ない、乏しい〕。
  • 辺縁性歯周炎の急性発作に対する消炎手術を骨膜下膿瘍、口蓋膿瘍等に対する口腔内消炎手術として算定している。

患者を診ていない者が判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

歯周外科手術
歯周外科手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 検査結果、臨床所見等から判断して、歯周外科手術(   )の必要性が認められない
  • 診療録に歯周外科手術(歯周ポケット掻隈術)に係る〔所見、手術内容、予後〕の記載が〔ない、乏しい〕。
  • 歯周外科手術を行った同一手術野又は同一病巣に〔歯肉歯槽粘膜形成手術、頬、口唇、舌小帯形成術〕を同時に算定している。

患者を診ていない者が判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

その他
診療録に〔   手術〕に係る手術内容の記載が〔ない、乏しい〕ので改めること。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

その他
同一手術野又は同一病巣に対して複数の手術をそれぞれ算定している例が認められたので改めること。

歯周外科手術
手術の施設基準に適合していない手術を算定している例が認められたので改めること。
  • 当該保険医療機関において行われる全ての手術について、患者又は家族等に対する〔当該手術の内容説明、合併症および予後等の説明、説明文書の交付、文書の写しの診療録添付〕を行っていない。
  • 患者への説明が困難な状況にあって、〔手術後、家族等関係者に対する〕説明を行った場合に、診療録に説明内容を記載していない。
  • 保険医療機関の見やすい場所に当該手術の1年間(前年1月〜12月)の実施件数を掲示していない。

⑫ 麻酔に係る指摘事項に対する当会のコメント

麻酔
〔伝達、浸潤〕麻酔について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔臨床症状、失活歯である状態〕等から判断して必要のないものに算定している。
  • 診療録に薬剤等を記載していない。

生活歯でも麻酔が必要な場合はある。患者を診ていない者が必要性がないと判断できるのか?主治医と指導医療官の見解が対立した場合、主治医でない者の判断が優先されて良いのか?恣意的な指導に注意

麻酔
吸入鎮静法について、〔実施時間、   〕を誤って算定している例が認められたので改めること。

その他
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑬ 歯冠修復・欠損補綴に係る指摘事項に対する当会のコメント

補綴時診断料等
補綴時診断料について、次の不適切な〔欠損補綴、有床義歯〕の例が認められたので改めること。
  • 治療計画を策定していない。
  • 診療録に〔欠損部の状態、欠損補綴物の名称及び設計、治療計画〕の記載が〔ない、乏しい〕。
  • 義歯新製が前提での増歯修理に対して算定している。
  • 1口腔単位での診断を行っていない。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

補綴時診断料等
同一初診期間において、補綴時診断料を2回算定している。

クラウン・ブリッジ維持管理料
クラウン・ブリッジ維持管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 補綴物毎に文書の交付による患者への情報提供を行なっていない。
  • 提供文書における〔医療機関名  、開設者名  、装着目  、クラウン・ブリッジ維持管理の趣旨、補綴部位〕補綴物の種類を不明である記載していない。
  • 同管理料を算定した歯冠修復物の〔再製作、再装着、修理〕に係る算定を行っている。
  • 〔     〕をクラウン、ブリッジ維持管理の対象としている。

補管を算定していない歯冠修復物の再装着等に係る指摘事項がないことから、文書提供等の算定要件を満たすことが出来ず、補管を算定出来なかった歯冠修復物の再装着等の算定は可能と思われる。

歯冠修復及び欠損補綴
不適切に行ったため、う蝕歯即時充填形成及び充填について、同一部位に対して短期間に繰り返して実施している必要性の〔乏しい、ない〕例が認められたので改めること。

なぜ不適切に行ったと断定できるのか?期間の規定があるのか?「乏しい」と「ない」を区別する基準は?う蝕であっても治療する必要がないということか?誘導尋問や自白の強要に注意

歯冠修復及び欠損補綴
う蝕治療に当たっては欠損修復のみならず、う蝕再発防止に対する指導管理等、患者毎に歯科疾患に対するリスクマネージメントを適確に行うよう改めること。(     )

「歯科疾患に対するリスクマネージメント」とは何か?
恣意的な指導に注意

歯冠修復及び欠損補綴
異種充填について、う蝕歯即時充填形成及びう蝕歯インレー修復形成を同時に算定している例が認められたので改めること。

歯冠修復及び欠損補綴
〔前歯部5級窩洞、臼歯部歯質くさび状欠損、根面う蝕に対する充填、   〕について、充填(単純なもの)を充填(複雑なもの)として算定している例が認められたので改めること。

歯冠修復及び欠損補綴
支台築造時の歯肉切除に伴う浸潤麻酔の費用を算定している例が認められたので改めること。

歯冠修復及び欠損補綴
〔連合印象、特殊印象〕について、〔旧義歯を用いて印象したもの、個人トレーを用いて印象したもの、アルジネート印象であるもの、吹合床を用いた咬合圧印象〕に対して誤って算定している例が認められたので改めること。

歯冠修復
歯冠修復について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔 〕の材料料を誤って〔 〕として算定している。
  • 装着材料料を〔  〕としている( 点の材料を 点で算定)。
  • インレーの単純なものを複雑なものとして算定している。

指導の場で「単純なもの」と断定できるのか?

歯冠修復
歯冠修復について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • インレーの複雑なものを〔5分の4冠、4分の3冠、FCK〕として算定している。

指導の場で断定できるのか?
歯科技工指示書との整合性?

歯冠修復
歯冠修復について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 5分の4冠を〔 〕として算定している。
  • 硬質レジンジャケット冠を〔 〕として算定している。
  • 小臼歯に対する硬質レジンジャケット冠について、応分の咬合圧に耐え得ること等について充分に考慮していない

応分の咬合圧に耐えうるとどうやって測定したら良いのか?
十分に考慮していないとどうして判断できるのか?恣意的な指導に注意

歯冠修復
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

欠損補綴
ブリッジについて、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 〔歯の欠損状況、支台歯数等〕から「ブリッジについての考え方2007」に示す設計ではなく、ブリッジの給付対象とならないものを算定している。
  • ブリッジの一部であるにもかかわらず、別に〔単冠、ブリッジ〕を算定している。
  • 第三大臼歯を支台歯とするブリッジについて、算定要件(〔歯軸の傾斜、健全な歯周組織、骨植堅固〕)を満たしていない。

「健全な歯周組織」や「骨植堅固」に係る規定はない。恣意的な指導に注意

(算定要件)第三大臼歯をブリッジの支台歯とする場合は、歯冠、歯根の大きさや形態、転移等を総合的に勘案した上で行う。青本P353

欠損補綴
有床義歯について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 補強線を誤って〔屈曲、鋳造〕バーとして算定している。
  • 〔診療録、歯科技工指示書〕に保持装置に係る部位、使用理由の記載がなく、必要性の乏しいものを算定している。
  • 人工歯料を誤って算定している。(   歯を   歯の所定点数で算定)
  • 残根歯に対して〔歯内療法、根面被覆処理〕を行っていないにもかかわらず、残根上義歯を製作している。

保持装置に係る使用理由の記載義務はない。
なぜ必要性が乏しいと判断できるのか?「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

欠損補綴
有床義歯の設計を行うに当たっては、より適切な診断の下で行うこと。

「不適切」ではないのに、「より適切な」との指摘を行う理由は?恣意的な指導に注意

有床義歯の修理等
有床義歯の床修理について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 新製後6月以内に所定点数で算定している。

有床義歯の修理等
有床義歯修理の歯科技工加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 有床義歯の預かり日から起算して2日以内に有床義歯を修理し装着していない。
  • 診療録に〔預かり日、修理を担当する歯科技工士名、修理の内容〕に係る記載が〔ない、乏しい〕。
  • 診療録に文書を添付していない。
  • 文書を作成していない。

どの程度の記載があれば「乏しく」ないのか。基準が示されていない。「十分」「乏しい」「適切」などは比較のための文言であり、基準が示されない限り意味がない。恣意的な指導に注意

有床義歯の修理等
有床義歯内面適合法について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 診療録に実施内容の記載がない。

何を記載するのか?青本には規定がない。

有床義歯の修理等
口腔内への直接法で〔床裏装、修理〕された有床義歯について、別に印象採得及び咬合採得を算定している例が認められたので改めること。

 

歯冠修復・欠損補綴
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑭ 保険外(自費)診療に係る指摘事項に対する当会のコメント

保険外(自費)診療
  • 保険診療から保険外診療に移行した場合は、診療録に移行した旨を記載すること。
  • 保険外診療に係る診療録は、保険診療用とは別に作成すること。
  • 保険外診療で製作した歯冠修復物の〔支台築造、 )について、保険診療で算定している例が認められたので改めること。
  • 一連の保険診療の中で保険外診療を行っている例が認められたので改めること。
  • 保険診療の各区分の所定点数に含まれ、別に徴収することが出来ない〔テンポラリークラウン、暫間義歯、 〕に係る費用について、別に保険外請求している例が認められたので改めること。

そもそも保険外診療にルールが存在するのか?保険外診療は指導の対象ではない。

保険外(自費)診療
その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

⑮ 診療報酬請求に係る指摘事項に対する当会のコメント

診療報酬請求
総論的事項
  • 診療録と診療報酬明細書との間で〔診療内容、部位、病名、所定点数、合計点数〕が一致していない例が認められたので、照合、確認を十分に行うこと。
  • 支払基金等からの返戻、増減点連絡書は内容を十分検討し、以後の診療や保険請求に反映させるなど活用を図ること。
  • 診療報酬明細書の作成を外部委託する場合には、〔歩合制による契約は不適切であるので改善すること、個人情報の保護に関する法令およびガイドラインを遵守すること〕。

歩合制による契約は不適切とする根拠は?個人情報の保護に関する法令およびガイドラインを遵守は委託先に指導すべきことではないか?

診療報酬請求
総論的事項
  • 保険証の毎月確認を励行すること。
  • 帳簿、伝票等の関係書類について、所定の期間(3年)保存すること。
  • 診療報酬請求明細書の記載について、診療を担当した歯科医師の診断あるいは同意なく事務部門等の独断で〔傷病名の追加、摘要欄の記載〕を行っている例が認められたので改めること。
  • その他

ミスを訂正しているだけではないのか?レセプトは歯科医師以外でも作成できる。

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

診療報酬請求
保険外併用療養費
  • 金属床総義歯の取扱いについて、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 小児う蝕の継続管理の取扱いについて、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

診療報酬請求
届出事項等
次の届出事項について変更が認められたので、速やかに@@@厚生局名称@@@〔課、事務所〕に届け出ること。
  • 保険医の異動(〔常勤、非常勤〕)
  • 〔標傍診療科目、   〕

「速やかに」とはどのくらいの期間か?

診療報酬請求
院内掲示
院内掲示について、次の不適切な事項が認められたので改めること。
  • 診療日、診療時間に関する事項(〔場所、方法、掲示がない」)。
  • 次の届出事項に関する事項の掲示がない。(クラウン・ブリッジ維持管理料)
  • 保険外負担に関する事項の掲示がない。
  • 保険外併用療養費に関する事項の掲示がない。(〔予約料、金属床総義歯に係る費用」)
  • 保険医療機関である旨の標示がないので、診療所の見やすい箇所に標示するよう改めること。
  • その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

保険外負担に関する事項

①いわゆる保険外負担については、その適切な運用を期するため、院内掲示の対象とすることとしたものであること。なお、保険外負担の在り方については、「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(H17.9.1)等を参考にされたいこと。

②具体的には、次に掲げる事項を掲示するものとすること。

ア 法令の規定に基づかず、患者から費用の支払いを受けている個々の「サービス」又は「物」について、その項目とそれに要する実費

イ「介護料」「衛生材料費」等の、治療(看護)行為及びそれに密接した「サービス」又は「物」については、患者から費用を徴収することは認められていないこと。また、「施設管理費」「雑費」等曖昧な名目での費用徴収は認められていないこと。(掲示例として、紙おむつ代、理髪代等)青本P544

一部負担金
一部負担金について、次の不適切な例が認められたので改めること
  • 徴収すべき者から徴収していない。
  • 診療の都度、徴収していない。

療担規則に規定はない。

保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保険医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。健康保険法第74条の2

保険医療機関は、被保険者又は被保険者であった者については法第七十四条 の規定による一部負担金(中略)の支払を、被扶養者については法第七十六条第二項 、第八十五条第二項、第八十五条の二第二項又は第八十六条第二項第一号の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百十条の規定による家族療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする。療担規則第5条

一部負担金
一部負担金について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 計算方法が誤っている。(    )
  • 日計表の管理方法が不適切である。〔OA機器等により管理していることから、〕一部負担金の徴収状況を定期的に〔出力、確認〕するなどにより適切に管理すること。
  • 未収の一部負担金の管理が不十分である(〔管理簿が作成されていない、納入督励が行われていない」)。

日計表の作成、保管義務はない。

保険外負担
保険外負担について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者から所定の点数に含まれるものを徴収している。
  • 患者から保険請求が認められていないものを徴収している。

「保険外負担」については、紙おむつ代、理髪代等が例示されている(青本P544)

「診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定以上行った場合の費用(費用を徴収できるものとして、別に厚労大臣の定めるものを除く)」を徴収することは不適切なのか?

「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」H17年9月1日青本P544

保険外負担
保険外負担について、次の不適切な例が認められたので改めること。
  • 患者から根拠のないもの(お世話料等)を徴収している。
  • 患者から本来保険請求すべきもの(〔審査で査定されることを避けるために保険外診療に切り替えたもの、    等」)を徴収している。
  • その他

「「お世話料」等の曖昧な名目での費用徴収は認められていない」とされている。この場合の「根拠」とは何か?

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている。恣意的な指導に注意

「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」H17年9月1日青本P544

その他
その他
  • 特定の保険薬局への誘導が行われていたので直ちに改めること。
  • 関係資料の未持参(  )が認められたので、指示されたものは必ず持参すること。
    確認できなかった〔   〕については、@@@厚生局名称@@@〔  課、  〕へ後日報告されたい。

作成・保存義務のないものを指示しても無効である。

都道府県歯科個別指導における持参物についてH26.9.25 医療指導監査室長補佐事務連絡

その他
その他
  • 被保険者証のコピーを保有することは好ましくないので行わないよう改めること。
  • 領収書の交付を行っていないので改めること。
  • 個別の費用ごとに区分した領収書(明細書、院内掲示)を発行していないので改めること。
  • 個人情報の取扱いについて、「医療、介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を参考に院内掲示を行うこと。

療担規則には規定がない。コピーをすること自体に問題はない。管理や保管をきちんとしていれば良い。

個別指導時の行政によるカルテ閲覧について、中国四国厚生局長は守秘義務、個人情報保護法に抵触の恐れがあると認めている。厚生局こそ同ガイドラインを遵守すべき。

その他
その他
  • 院内における医薬品の採用について、後発医薬品を検討するなど後発医薬品の使用に対し積極的に取組むよう努めること。
  • その他

「その他」としてどのようなことでも指摘することが可能な仕組みとなっている恣意的な指導に注意

⑯ 特記事項及び事後措置に係る指摘事項に対する当会のコメント

特記事項及び事後措置
特記事項
保険診療に関する諸規則や算定要件等の理解が十分でないことから、〔開設者、管理者、保険医〕として備えるべき知識の修得に努める必要がある。

保険医の質問に即答出来ないなど、指導医療官(技官)の方が「保険診療に関する諸規則や算定要件等の理解が十分でない」場合がある。指導医療官こそ備えるべき知識の習得に努めるべき。

特記事項及び事後措置
事後措置
□ 概ね妥当
□ 経過観察
□ 再指導( □ 患者実地調査を伴う)
□ 要監査
□ その他(     )

事後措置の「その他」とは何か?指導大綱に「その他」の規定はない。


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