細見訴訟 控訴審第4回弁論

2009年(平成21年)3月4日

 2009年(平成21年)3月4日午前10時から、細見訴訟控訴審の第4回弁論が大阪高等裁判所で開かれました。
今回の弁論では、第3回弁論で国側が西村周三京都大学教授の「意見書」を提出したことから、細見医師側は東京大学大学院の宇賀克也教授の「意見書」を提出しました。

 宇賀教授は、細見医師が勝訴した昨年(2008年/平成20年)4月22日の神戸地裁判決について行政法の観点から、

(1)行政庁の裁量基準は法規命令のような外部効果を有するものであり、原則として裁量基準に拘束されること、

(2)監査要綱が定める処分基準は、処分を行う上で考慮すべき事項を網羅したものではなく必要十分条件とはいえないこと、

(3)行政手続法14条に基づく処分理由の提示については、単に根拠法条を示すだけでは不十分で、審査基準や処分基準がどのように運用されて処分がされたかも明らかにする必要があること、

(4)処分を前提とした聴聞は、「不利益処分の原因となる事実」への反論の機会を保障するものであり、これらを経た後の訴訟等における処分理由の追加・差替えは、意見陳述の機会を形骸化させるおそれがあり認められるべきでないことなど、膨大な文献と判例を引用して詳細に論証されています。

 

 宇賀教授の「意見書」が提出されたことから、国側は新たな準備書面提出の意向を示し、次回弁論を6月17日に行うこととなりました。

 弁論終了後、細見医師は西会長をはじめ支援者の皆さんに、「やっと出口が見えてきた。控訴審は昨年8月の第1回弁論の日も雨で最終弁論も6月の梅雨時になる。しかし判決が9月か10月ということであり秋晴れで迎えたい。今年11月には取消処分から5年が経過する。晴れて保険医として復帰したい」と引き続く支援を訴えました。

 

 

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