岡山県保険医協会は2010年(平成22年)8月1日、岡山市内で「個別指導対策セミナー」を開催し、県内外から約80名が参加した。
同セミナーでは、全国の指導・監査の現場に立ち会うとともに、処分取消訴訟の代理人を務める竹内俊一弁護士と、岡山県保険医協会の暮石智英指導監査対策室長が講演を行った。
また、厚労省が7月22日に行った「政策コンテスト」(第二次選考)で、保険医療機関等に対する指導・監査業務に「犯罪(詐欺罪)に対するプロである警察庁や警視庁からの出向者の受け入れ」を行い、健康保険法に基づく行政指導や行政調査に、犯罪捜査と同様の手法を持ち込むことを主張している向本時夫医療指導管理官の罷免を求める決議を全会一致で採択した。
「決議」は8月2日、長妻昭厚生労働大臣宛に送付された。
厚生労働大臣 長 妻 昭 殿
貴職が7月22日に開催した「政策コンテスト」(第二次選考)において、向本時夫保険局医療指導管理官が提案した「保険医療指導監査部門の充実強化」に対し、医療関係者から驚きと怒りの声が巻き起こっている。
現在でも、法を無視した人権侵害、裁量権の濫用による指導・監査・処分によって多くの保険医や家族・スタッフが傷つけられ、自殺まで追い込まれる事例が後を絶たない。
当会は、こうした無法状態を改善するための取組の一環として、民主党岡山県総支部連合会の「地方主権委員会」に対し、年金問題と並ぶ厚生行政の「ブラックボックス」ともいうべき指導・監査のあり方に法の光を当てるよう要請を行った。同委員会は、事の重大性に鑑み「党本部に報告」という取扱とされた経緯がある。
「犯罪に対するプロを受け入れ」「プロの取り調べ手法を学ぶことにより、的を射た取り調べ」を行うとする今回の提案は、保険医療機関等に対して行政指導や行政調査を担当する現職の医療指導管理官のものであり、典型的な官僚支配の思想を如実に示したものといえる。
健康保険法に付与された権限を故意に歪める同医療指導管理官の行為は、法令遵守を義務づけた国家公務員法に反することは明らかである。
我々は、公務員としての適性を欠く向本時夫保険局医療指導管理官の罷免を強く求めるものである。
以上、決議する。
2010年(平成22年)8月1日
岡山県保険医協会 個別指導対策セミナー参加者一同
当会のとりくみ
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