監査対象医療機関は誰が決める?

2008年9月25日

個別指導の対象医療機関は「選定委員会」で決められる。では、監査の対象となる医療機関はどこで決められているのか?

 以前、社会保険事務局に「監査対象医療機関等の選定に係る会議録」の開示請求を行ったことがある。この請求に対し送付されてきた「決定通知書」には、該当文書は「不存在」と書かれていた。

 監査という、医療機関にとってはこの上なく重大な決定を行うのだから、「選定委員会」よりさらに厳格に会議で決めていると思っていたがそうではなかった。

 会議でなければ酒の席か?

 興味があったので、請求内容を「監査対象医療機関等の選定に係る会議録、あるいは稟議書など、意思決定の理由及び経過が分かる書類等」としてみた。

 すると地方厚生局から該当する行政文書が送られてきた。

これを見て謎が解けた。県によって多少の違いはあるようだが、事務指導官や医療係長が「この医療機関を監査にかけたい」と「起案書」を作り、トップまで回覧板をまわして印鑑をとればそれで決まり、実に簡単な手続だ。

 ある県の監査で、暴走を繰り返しながら一際張り切って被監査者を追及する事務指導官がいた。自ら作った筋書きで「今さら白とはいえない」焦りが無法地帯を作り出す、そんな構図が見えてきた。

 

 

(C) 2008- 指導・監査・処分取消訴訟支援ネット