原告が勝つことの少ない国を相手の訴訟(国家賠償請求訴訟)をなぜ支援するのかという素朴な疑問が寄せられることがあります。訴訟支援のほぼ常識に属することですが、Q&Aにして整理してみました。
原告の先生方に思いをはせる方は是非お読みください。
ほんとうです。原告が勝訴する確率は1割にも満たないでしょう。
個々の裁判官の深層心理まではわかりませんが、「司法官僚」というひとくくりで考えれば一般論としてはそのような傾向にあるでしょう。
逆に考えれば、まれに画期的な判決を書く裁判官もいるということです。
勝率をあてに提訴した原告はいないでしょう。
訴訟という手段以外に選択肢がなかったときに、人間の尊厳をかけて訴訟に至ったという心情は、原告共通のものだと思います。
あればすでに解決しています。
いろいろあるでしょう。
これまでは「行政にお願いする活動」以外に指導、監査の分野では運動らしきものはほとんどありませんでした。
指導監査が原因と思われる自殺者が後を絶たないという歴史が証明しています。
指導監査の現場で起こる人権侵害は、技官の資質によるものではなく仕組みから由来するものです。
仕組みにのって実施してきた行政にお願い事をしても、通じないのは当然といえば当然のことでした。
訴訟を提起するというのは、一つの手段の選択です。指導監査に関わることは、多種多様な問題があります。原理的には多種多様な手段があるでしょう。
政権交代以前から国会で委員会質問という形で指導の問題が扱われたことはありましたが、指導監査の仕組みが改善されることはありませんでした。
「同僚医師歯科医師」の個別指導への同席を厚労省は、一切認めていません。
暮石訴訟(同僚歯科医師を求めた訴訟)で国側が提出した書面でも明示しています。
いくつかの条件付きで認められた事例はあります。
指導を受ける医療機関と顧問契約を結んでいる医師、歯科医師が同席するということは、地域限定的ではありますが以前から行われており、今でも行われています。
とれます。顧問契約、保険医登録した勤務医を顧問契約する以外には、別室待機方式というものがあります。
指導会場ではなく別室に「同僚医師歯科医師」が待機して個別指導時間内に随時相談を受けてアドバイスする方法です。
地域限定ですが、裁判所も認めている方式です。
指導を受ける先生の安心感はありますがリアルタイムではありません。
タイムラグ方式ですので限界があります。
あります。
詳細まで把握していませんが、顧問契約を結んだ医師、歯科医師の帯同が拒否されたということのようです。
必ずしもそうではありません。
最近の事例では、歯科医師の帯同を拒否された暮石訴訟原告、暮石歯科医師の同席が実現しました。
また、請求事務担当の歯科医師の同席も実現しました。
「判例ですべてが覆る!」とはいえないことも実証されています。
司法の判断(判例)は、その事案に関するものでパーフェクトに全国に波及するということではありません。
「無条件には同僚医師の帯同を認めない。」ことは、暮石訴訟以前も以後も変わりはありません。
ありません。あったら暮石訴訟を提起することはなかったでしょう。
裁判所は、正義を実現するところではありません。判例は、積み重ねで人権侵害をはねのける手段になります。
不利と思える判決が出たらもうおしまいだと考えるのは、「負けるけんかはしない!」という勇ましい誤解の裏返しです。
指導 監査をめぐる動き
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