2014年(平成26年)9月10日に行われた岡山県保険医協会会員(歯科医師)への新規個別指導(歯科)において、中国四国厚生局岡山事務所長は新たな見解を示した。概要を紹介する。
カルテを行政側に閲覧させることは保険医の任意の協力であり、保険医が承諾しない限り、行政はカルテを閲覧出来ない。
但し、行政は「個別指導ではカルテを閲覧し、診療及び請求内容を確認する必要がある」「カルテを閲覧しないことには指導の目的が果たせず、指導を終了できない」としている。
患者の同意なくカルテを閲覧させることについて、「万一、患者が民事訴訟で保険医を訴えた場合、保険医が自発的にカルテを出したのではないと行政の皆さんは裁判で証人になって頂けますか?」との質問に、厚生局の担当官は「個別指導でお願いしたことは事実。必要があれば…。」と回答した。
カルテは技官(指導医療官)にのみ限定して開示し閲覧させればよい。立会人や事務官にカルテを閲覧させる必要はない。
①現金出納帳(患者毎の一部負担金の徴収に関する帳簿)、②日計表、③予約簿など、作成や保存の義務のないものについては個別指導に持参する必要はない。
2014年診療報酬改定により、歯科衛生士業務記録簿を作成する必要はなくなった。但し、歯科衛生士実地指導を行った場合には、提供文書の写しをカルテに添付する。
保存又はカルテへの添付が求められているもの(平行測定の模型又は写真など)の持参を忘れた場合には、「存在が確認できない」と指摘され自主返還が求められるが、後日送付される改善報告書で「存在を確認した」と記載し、報告すれば良い。
改善報告書の提出は任意。(行政からの「お願い」にすぎないもの)
保険証を持参の上、一部負担金を支払うことが出来ないが治療して欲しいと訴え来院した患者を診療した場合、徴収出来なかった一部負担金は未収金として計上する。(応召義務が優先する)
厚労省本省へ照会中。
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