去る2009年1月25日、全国保険医団体連合会(保団連)代議員会が開催された。支援ネットに係わる発言もみられた。
多くは「支援ネットへの支援」をする立場からの発言であったが例外があった。フロア発言ではあるが、山梨県保険医協会代議員が支援ネットに関して次のような発言を行った。「・・・当県での原告は限りなくクロ・・・」というものである。
支援ネットとしては、他団体の見解に関して批判する立場ではないが、原告の名誉に関わることなので発言の真意を聞くために事実確認を行った。翌日、事実経過も含めて該当協会事務局長に確認したところ、「・・・根拠を把握しているわけではないが・・・保険医取消処分は妥当というのが役員の総意で・・・」という丁寧且つ正確なお話しであった。
これまで山梨の保険医団体は、賢明にも溝部訴訟に関しては明確な態度を表明していなかった。
支援ネットとしては、医師会等の公益法人との関係に苦慮されているのであろうと推察して配慮していたが、なぜ、ここに至って、そのような判断をされたのであろうか。
溝部訴訟に関しては、3万人の患者署名が集まり裁判所も執行停止を決定して、今係争中である。にもかかわらず、「取消処分は妥当」という明確な立場を今、公に表明した。この団体は、溝部訴訟に関しては、行政庁である国側と全く同一の立場であるようだ。
溝部訴訟で争われていることは、
(1)「不正」の判断が妥当であるのか、
(2)指導、監査、聴聞、地方医療協議会を通して、現在のような手続きでよいのか、
(3)内容にかかわらず一律5年間の取消処分で良いのか(量刑比例の原則)、という問題である。
「クロ」あるいは「取消処分は妥当」という限りは、以上のような争点について具体的な検討されての判断であるべきであろう。
溝部訴訟(山梨県)
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