健康保険法、国民皆保険が始まって以来、この40年間社会保険事務局が、指導・監査・行政処分などの権限を背景に、保険医療機関や保険医に対し、強権的に支配する傾向が変わらず続いています。
この数十年の間に、個別指導、監査に苦しむ多くの医師、歯科医師が自殺してきたにもかかわらず、追悼集会が開かれただけで、社会保険事務局の怠慢・隠蔽・傲慢体質と不条理な構造規則は連綿と変わりませんでした。変わらないどころか、「医療現場の実情」と「厚労省、社保庁がきめる保険行政」との間の乖離と矛盾はますます深まり、医療者の士気は落ち、萎縮医療と医療崩壊が日ごとに進んでいます。理不尽、不条理、恣意的な個別指導監査行政処分の事案がますます増加し、全国の医師歯科医師が悩み苦しんでいます。
厚労省、社会保険事務局の職務は、「穴だらけの制度を作っておいて、その穴に落ちたからと言って恣意的に直ちに罰すること」ではなく、「適正な保険診療を行わせるために、医師に正しい指導を繰り返し行い、矯正指導して、必要な医療を必要な患者に提供できる環境をつくること」に他なりません。このような状況の中で、私達は、法廷闘争を通して、「社保庁の恣意的 一罰百戒的指導監査行政処分」を透明で、公平公正な民主的なものに改善させるために、医師歯科医師が団結して立ち上がりました。
誰かが行動をおこさなければ、何も変わりません。私達は、この理不尽な社会保険事務局の世界に、一石を投じる「捨て石」になる覚悟で国を訴え闘っています。
今年10月に社保庁の解体が決まりました。今や、国民、医療者の社保庁厚労省に対する怒りはおさまらないところにきています。今ほど、世論の後押しが得られる時期はないと思います。改革されずに現在に至った社保庁の構造規則を変えさせる絶好のチャンスです。どうか、対岸の火事、火の粉をかぶらなければ大丈夫とは思わないで下さい。無関心を装うことは罪悪です。
全国の医師歯科医師の皆さん、日頃の保険診療、指導監査行政処分に理不尽、不条理、矛盾をお感じになっているのであれば、声を上げ、行動に現して下さい。日頃の保険診療、指導監査行政処分に理不尽、不条理、矛盾に思うこと何でもお寄せ下さい。日本の医療の将来のために、日本中の患者や医療者のために、皆で力を合わせましょう。
・答申を出す地方社会保険医療協議会の中立性の確保
・再審査請求の審査の中立公平性の確保
・公平公正客観性のある監査制度にかえる
・初回処分の禁止 (最低でも1回は指導を行う)
・告発と処分裁定の分離
溝部訴訟(山梨県)
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